日本における仏教の流れと仏教伝道協会の役割


聖徳太子
 インドにおいて創始された仏教は、およそ1000年を経た西暦6世紀の中頃に日本に伝えられました。奈良時代までは、単に中国仏教の輸入とその内容の理解や実践のみにとどまっていたものが、平安時代になると、日本人の手によって、日本仏教と呼び得るような宗派が独立してきます。天台宗と真言宗の開創ですが、これら二つの宗派は仏教を本来の修行という立場でとらえ、それまでの都会中心の仏教を山の中に持ち込んで、そこに修行の根本道場を確立しました。
 仏教が大衆のものとなったのは、鎌倉時代です。臨済宗・曹洞宗といった禅の流れ、浄土宗・浄土真宗といった浄土教の流れ、そして日蓮宗は、すべてこの時代に創められました。そしてその後の日本仏教は、これら鎌倉時代の仏教宗派を中心として、日本人一般大衆に支持されてきたのです。
 しかし、江戸時代に制定された檀家制度によって護られてきた各宗派は、明治時代の神仏分離令による排仏毀釈運動のために自衛上、仏教再興が叫ばれましたが、その後の軍国主義の波に流されて、鎮護国家の道具として用いられるようになってしまいました。
 第二次大戦後に“信教の自由”を獲得した日本人の多くは、それまでの家の宗教であった旧仏教宗派を棄てて、いわゆる新宗教と呼ばれるグループに加入し、短期間のうちに膨大な宗教団体を形成しました。
 一方、中国から伝えられた仏教聖典の大部分は、日本語に翻訳されることなく漢文のまま読まれ誦されてきたのでしたが、日本人の漢文に対する理解力が薄れるにしたがって、聖典そのものの内容が、一般大衆にとってはまったく意味不明のまま放置されてしまいました。
 そのようなときに設立されたのが、仏教伝道協会(1965年設立)だったのです。この仏教という東洋の一大文化を、日本国内のみならず世界各国の人びとに知らしめたい、というのが協会設立の目的なのです。
 八万四千といわれる仏教の教えを整理することによって釈尊の教えの原点に立ち戻り、そこから出発すれば、過去においてなぜあれほど多くの宗派に分裂しなければならなかったのか、という理由がわかるはずです。
 現在の日本人の大部分は、形式的にいずれかの寺院の檀家となっているか、自己が属する宗派のみが正しいと信じているかの、いずれかのように見うけられます。

 仏教伝道協会の目的は各個人が自己の信仰の対象を持てるように、まず仏教全体の姿を浮き彫りにし、そのことによって、超宗派的な仏教そのものを周知徹底させるための努力をすることにあります。
 したがって仏教伝道協会は、特定の宗や派の教義を説くのではなく、仏教という宗教を一人でも多くの世界の人びとに伝えるための団体であり、この目的に向かってあらゆる活動や事業を推進し、最終的には、人類の相互理解と、世界平和の確立とを願っている団体なのです。
 一人でも多くの人びとの、ご協力とご理解とを心から念願してやみません。




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