朗読 ささえあって

- 百八つのおもい -





 現代社会では、物質的に豊かになった反面、他人のことにはかまっていられないという人が増えてきました。これは誠に悲しいことで、めまぐるしい情報化社会の中で、大事なご恩ということを忘れ、失ってきたように思うのです。

 その要因は「自分は一人で生きている」という錯覚で、人間の迷いの最たるものではないでしょうか。

 信仰とは、仏の智慧と慈悲の光を仰ぐところに、今ここに生かされている私のいのちの背景、すなわちご恩を知らされ、「私は一人で生きているのではなく、大いなるいのちの真ん中でささえられ、ゆるされ、生かされて、生きている」と、報恩の心に目覚めることではないでしょうか。

 三世十方を貫く不変の真理を真摯に求め、頷き、み教えに身を委ねるとき、決して気付くことのなかった不完全な自己に目覚め、自然にお蔭様と、感謝と慚愧の中に、互いのいのちが輝き、響き合う共存共生の世界が開かれて参ります。

 心の闇となる我執の殻を破って下さるみ仏の光を仰ぎ、小さな執らわれを離れ、大きなご恩に生かされて生きて行くいのちに目覚めたいものです。

 さて、このコーナーでは『仏教聖典』の中から、日常的に使われる身近な単語を煩悩の数に因んで百八つ選び出し、仏教的な味わいを加えてみました。

 これまで出会ってきたいのち、これから出会ういのち、はかり知れないご恩にささえられながら、永遠の今を生かされている私のいのちです。

 信仰生活とは報恩の一語に尽きます。今一度「ささえあって 生きるよろこび 生かされるよろこび」報恩の原点に思いを致したい事であります。

 お聞きのあなたが、仏陀のあたたかい心に包まれますことを念願いたします。


メディアプレーヤークイックタイム
*ご利用のサウンドプレーヤーのボタンをクリックし朗読をお聞きください。



<作曲・演奏>

斉藤瑛美
●1933年京都生まれ。京都芸術大学作曲科卒業。エレクトーン演奏のパイオニア。演奏活動は海外44カ国に及ぶ。国内では芸術祭参加公演をはじめ、伝統芸能、民族楽器他分野との共演も多く、能、文楽などの作曲も手がける。代表作に「幻想組曲邪馬台国」、「地平天成」などがある。徳島文理大学教授、北京、上海、天津中央音楽院の特別顧問教授を務める。
<朗 読>

好本 惠
●1976年NHK入局。「おはよう広場」「きょうの料理」などを担当。81年フリーに。コーネル大学で日本語教育学などを学ぶ。現在、フリーアナウンサーとして主にNHKの番組の司会、ナレーションなどの他、NHK文化センターの講師も務める。今年9月NHK出版より対談集『ハッピーチャイルドに育てる19の知恵』が出版された。そのしっとりとした艶のある語り口には定評がある。



このページのTOPへ 次のページへ


協会概要 | あゆみ | 目的と事業 | 伝道事業 | 伝道会館 | 朗読 | やさしい仏教用語 | 教材/出版 | トップページ